この映画を観る⑧ (20030821)
おかあさん、これがアメリカン・ニュー・シネマだ!の巻
記念すべき末広がりの第八回目は、お待たせいたしました「アメリカン・ニュー・シネマ」です。
タイトルの「おかあさん」には特に意味はありません。
英語で言う「オー・ボーイ」みたいなものです。感嘆詞と言うやつですね。
さて、「アメリカン・ニュー・シネマ」というのは、1960年代後半から70年代前半のアメリカ低予算映画をいいます。
もうちょっと詳しく言うとそれまでの老若男女家族団欒で楽しめるハッピーエンドなハリウッド製映画と違って「人間て不条理だ、この世も不条理だ」っていうような決してハッピーエンドで終わらない観る者の心に深い感動や疑問ややるせなさや等を投げかける映画のことなんだ。
と言いつつやはり一息で説明するのは難しい。
まぁ背景には、泥沼化してきたベトナム戦争があったわけで、そう言われると何となく雰囲気が伝わるでしょう。
とりあえず、下に代表的な作品10本を僕の勝手な点数まで入れて掲げますので、参考にしてみてください。
作品名(監督、主演、製昨年、点数)
・俺達に明日はない(アーサー・ペン、ウォーレン・ビューティ、1967、76)
・卒業(マイク・ニコルズ、ダスティン・ホフマン、1967、90)
・ブリット(ピーター・イエーツ、スティーブ・マックィーン、1968、91
・真夜中のカーボーイ(ジョン・シュレシンジャー、ジョン・ボイド、1969、82)
・イージー・ライダー(デニス・ホッパー、ピーター・フォンダ、1969、78)
・明日に向かって撃て(ジョージ・ロイ・ヒル、ロバート・レッドフォード、1969、75)
・小さな巨人(アーサー・ペン、ダスティン・ホフマン、1970、70)
・フレンチ・コネクション(ウィリアム・フリードキン、ジーン・ハックマン、1971、89)
・ゲッタウェイ(サム・ペキンパー、スティーブ・マックィーン、1972、60)
・スケアクロウ(ジェリー・ジャッツバーグ、アル・パチーノ、1973、81)
平均79.2点
「アメリカン・ニュー・シネマ」と言うときは、1975年頃までの作品を入れる人もいるけれど、僕は1973年の「スケアクロウ」までを勝手に「アメリカン・ニュー・シネマ」と呼んでいます。
一番下の平均点というのは、全く意味はないんだけど、こうやってみると随分と点数が甘くなってしまっていて自分でも驚いています。
一番高得点の「ブリット」は、実は僕が映画少年になってしまったきっかけの映画です。当時この映画のマックィーンと“空前絶後の超人”ブルース・リーが僕をすっかり映画の虜にしてしまったのでした。
それにしてもこの「ブリット」のスティーブ・マックィーンは本当にカッコ良くていかしてました。
「あんなきれいな女性を悲しませるなよぉ」って思わずスクリーンに向かって叫びたくなってしまうくらいにとってもとっても美しいジャクリーン・ビセットに心配ばかりかけちゃったりするマックィーンに、中学一年生の僕は心底憧れてしまったのでした。
そんな思い入れが強いせいで、どうしても「ブリット」には得点が甘くなってしまうのでした。
青春加算点が10点加わっていると思ってください。
普通「アメリカン・ニュー・シネマ」と言うとき「ブリット」は上位にランクされることはないかもしれませんが、ここにみえられた方達には、今回取り上げた作品群の中では、とりあえず何はさておいても「ブリット」だけは観ておいていただきたいものです。
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