これであなたもロック通① (20020717)
ザ・ビートルズの巻
今更、私に言われるまでもなくビートルズはロックの基本中の基本である。
いや違う、ビートルズはロックの基本ではなく古典だ、という人がいる。今やビートルズはロックのクラシックだと言うのである。
「基本と言うのは、例えばスポーツでもなんでもいいけど、それが無いと先に進めない、応用が利かない、要するに必要不可欠なものだけど、俺はビートルズなんて聴いたことないけど、ロックを誰よりも理解しているし、何より大いに楽しんでるぜ」
と、どうもこういうことらしい。
はっきり言おう。それは大間違いだ。
ビートルズはあくまでロックの基本である。私に言わせればビートルズを聴いたことのないやつにロックを語る資格などない。
人間以下だ。
ビートルズはロック、いや現代のあらゆる音楽にとっての共通言語のようなものである。ビートルズを知らないやつは本来、現代音楽を語る資格が無いのではなく、語りたくても語れないのだ。共通言語を持ち合わせていないのだから。
さて、いろいろ意見があるとは思うが、お互いそういう共通認識が持てたという前提で先に進もう。本文の趣旨はあなたをロック通にすることである。ロック通の第一歩、それはまずロックの基本であるビートルズ通になることである。
注意しなければいけないのはビートルズ通になれたからといって、決して威張ってなどいけないということ。ロック通はそれがイコールビートルズ通だが、ビートルズ通はイコールロック通ではないのである。
だからビートルズ通になったところで、まだまだハナタレ小僧みたいなものだ。ロック通への道のりは決して容易ではないぞ。
さて本題だ。そこで、私は残り800字足らずであなたをビートルズ通にしてあげよう。正確にはあなたが皆からビートルズ通と呼ばれるようにしてあげよう。
これから私が伝授する数々の黄金の台詞を丸暗記すること。そして何かの機会にビートルズのことが話題に上ったら(そういう機会を上手につくることが大切)さりげなくこれらの黄金の台詞を口に出すこと。それだけで間違いなくあなたは皆からビートルズ通と呼ばれ、尊敬されるであろう。
その1.「僕は(私は)やっぱり アイ コール ユア ネームのジョンの声にしびれるね」
特に気を付けたいのは「やっぱり」を必ず入れること。
「アイ コール ユア ネーム」と言う比較的地味な名曲を知らないやつを、この「やっぱり」でびびらすのだ。
その2.「日本武道館のポールのマイクは落ち着きがなかったね」
言うタイミングだけ気をつけよう。下手すると会話が終了する可能性が大きい。
ビートルズ通を自認するやつが多ければ多いほど、場が盛り上がるぞ。
その3.「子供の頃、ユー ノウ マイ ネームを聴きながら、家族でよく踊ったもんだよ」
それじゃあ踊ってみせろと言われて、おどおどしないように日頃から自分なりに踊りも研究すること。盆踊りみたいのも実は意外にいける。経験済みです。
その4.「ジ エンドでのギターバトル、僕なら(私なら)ジョンに軍配を上げるね」
「え、ポールの方がいいよ」というやつがいても決して同調しないこと。あくまでジョンに軍配を上げることが大切。「通」は決してポールに軍配など上げはしない。
その5.「若い頃ジョージは、確かジェリー・ビーンが好物だったよね」
どうだい、もうついて来れないだろう。てなもんだ。若い頃のジョージ・ハリスンなんてどうせ誰も知らないんだから。
「君たち僕とビートルズの話をするなんて10年早いよ」そんな顔で締めくくろう。
さあ、これで君もビートルズ通だ。時間があれば、ビートルズの曲も聴くことをお勧めいたします。
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