外務省のラスプーチン(佐藤優氏)に会う (20060917)

 

ちょっと前(721日)のことだが、「外務省のラスプーチン」こと元外交官の佐藤優さんに会った。

というかたまたま佐藤優さんの話しを聞く機会に恵まれた。

 

僕は普段帰りが遅いのだけど、理由は忘れたがその日は7時くらいに事務所を出た。

まだ帰宅するには早いので東京駅丸の内口改札そばの丸善(超大型書店、夜9時まで営業している。)に行くことにした。丸善に着き僕はいつもの癖でエスカレーターで3階まで上ると、店員が「『日米開戦の真実』出版記念 佐藤優氏講演会7時から」というプラカードを持って立っていた。

僕は佐藤優さんの著作は読んだことがなかったのだけど、前から興味があったのと、何よりも暇だったので、「日米開戦の真実」を買って講演会チケットをもらい同じフロアの講演会場に行った。

 

雰囲気からすると講演は始まったばかりだった。

客数は20人くらいか、思っていたよりずっと少なかった。

「必要以上に目つきの鋭い学者」

これが僕の佐藤優さんの第一印象だった。

帰り際にサインをもらったが、「お客さんびびらしてどうするの」というくらい目つきは鋭かった。

 

講演の内容は僕の苦手とする近現代日本史で、僕の知識不足のせいで正直なところ理解できないことが多かった。

これは言い訳だけど、僕は中学・高校時代の日本史の授業で近代以後の歴史を教わった記憶がない。いつも明治維新手前あたりで時間切れだった。

しかも僕はもともと理系だったことも今となっては災いしている。恥ずかしい話だが、僕の近・現代史の知識のほとんどは司馬遼太郎さん等の歴史小説で得たものだ。

佐藤優さんの話を聞きながら自分の歴史の教養のなさをあらためて思い知らされた。

 

話を講演会に戻す。

佐藤優さんは「駅のホームに立つときは前に立たない方がいいよと外務省に脅されている」と、聞いているこっちがそんなこと喋って大丈夫なのかっ!と心配になってくるような穏やかでないことをぺらぺら喋られた。

彼についての前知識の無い僕でも、ようするに彼の著作や発言に外務省がそうとう神経を尖らせているらしいことはわかった。

 

怖い話を聞いてしまったので、帰りの東京駅中央線のホームで電車を待っているときも、妙に後ろが気になってしょうがなかった。

当たり前だが無事に電車に乗ると「入来院重宏様 2006721日 佐藤優」のサイン入りの「日米開戦の真実」をさっそく読んだ。

この本は、戦後A級戦犯容疑者として逮捕され「精神障害」で免訴された大川周明が太平洋戦争開戦直後にNHKラジオで12回にわたって講演したものを翌年速記録として出版した「米英東亜侵略史」の原文を全文掲載し、かつ現代人が理解できるように佐藤優氏自身の解説文を加えたものだ。

僕は本を読むのが早い方だけど、何しろわかりやすく面白いので約300ページあるこの本をその日のうちに一気に読んでしまった。

明治時代から太平洋戦争開戦あたりの苦手な時代のことを知る上で大変勉強になった。

最近のいわゆる「靖国問題」を考える上においてもとても役に立つ本だと思う。

 

ちなみに僕は佐藤優さんの著作にはまってしまい、以後、「自壊する帝国」「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」「国家の自縛」の順で読んだ。

どれも大変面白く読み応えのある本です。

 

これは余談だけど、一連の著作を読んで僕の鈴木宗男議員の印象は540度変わった。

目つきが必要以上に鋭かろうと何だろうと僕は今やすっかり佐藤優さんのファンになってしまったのだった。

 

佐藤優さんのコラムはここhttp://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/

 

 

 

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